巷で言われる学資保険のメリットを辛口チェック|デメリットは多いのにメリットが極端に少ない時代になった

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子どもが生まれたら親から一度は聞かれるのが「学資保険には入ったの?」というもの。

確かに僕らの親世代にとって学資保険はメリットがありましたね。

しかし、当たり前のように学資保険に加入する時代は終ったと言っていいでしょう。

はっきり言って、今の時代、学資保険はデメリットはあってもメリットはほとんど見当たりませんね

我が家も学資保険には加入していません。

でも僕の職場の人たちは、今でも子どもが生まれると当たり前のように学資保険に加入しています。

「もしかして学資保険って入っておかなきゃまずかった?」

と思ったので、改めて学資保険のメリット・デメリットについて考えてみました。

学資保険のメリットは本当にメリット足りうるのか

学資保険のメリットと言われていることが、今の時代では通用しなくなったと感じています。

実際はどうなのか、ひとつひとつ確認してみましょう!

1.「保険料として払った金額より多く戻ってくる」→本当だか利回りが低すぎる

学資保険に入るメリットとしてまず思い浮かべるのが「払った保険料に利子がついて戻ってくる」ということです。

うちの親が学資保険を勧めてきた理由ですね。

かつては返戻率130%を超えていた時代もあり、学資保険に入るメリットはありました。

しかし残念なことに、今の学資保険は返戻率が本当に低くなってしまいました

残念ですがマイナス金利が続く限り、返戻率が上がることはなさそうです。

返戻率は上がってきているが、110%は超えられない

返戻率は若干ですが、上昇してきています。

ただし返戻率が上昇しているとはいえ、返戻率108%程度が限界のようです。

返戻率の高い保険会社としては、明治安田生命やソニー生命、日本生命が挙げられます。

返戻率が高い学資保険は一括払いや5年で払込みを終えるタイプ。

ただ、これらのタイプはまとまったお金がないと支払いがキツイです。

現実的には10年または15年かけて払込みを終えるタイプを選択することになりそうです。

学資保険はプランによって返戻率が異なります。
例として、返戻率の高いソニー生命の学資保険を例に見てみましょう。
参考に2020年時点の返戻率も載せておきます。

【前提】
契約者:30歳 男性
被保険者(子ども)の年齢:0歳
払込期間:10年

(1)18歳から22歳まで5年間毎年40万円返ってくるプラン

   月払保険料15,440円 支払総額1,852,800円
   受取額:2,000,000円 返戻率:107.9%

  (参考:2020年)
   月払保険料15,788円 支払総額1,894,560円
   受取額:2,000,000円 返戻率:105.5%

大学入学時に40万円では非常に心もとないです。
年間の授業料としても全く足りないので、結局大学費用は追加で用意する必要があります。

(2)18歳の大学入学時期に200万円を受け取れるタイプ

   月払保険料15,700円 支払総額1,884,000円
   受取額:2,000,000円 返戻率:106.1%

  (参考:2020年)
   月払保険料16,100円 支払総額1,932,000円
   受取額:2,000,000円 返戻率:103.5%

これは18歳の大学入学時期に200万円がポンっと受け取れるタイプです。
2020年と比較すると返戻率がずいぶんと上がりました。

(3)中学と高校に入学する時期にお祝い金36万円が戻ってきて、かつ、18歳時に120万円戻ってくるタイプ

   月払保険料15,480円 支払総額1,857,600円
   受取額:1,920,000円 返戻率:103.3%

  (参考:2020年)
   月払保険料15,480円 支払総額1,909,440円
   受取額:1,920,000円 返戻率:100.5%

中学から大学までの入学に必要な資金を随分と賄うことができるプランです。
2020年の返戻率100.5%はさすがに低すぎとはいえ、まだ103.3%です。
非常に厳しい返戻率であることには変わりありませんね。

(2022年7月時点)

返戻率は年率ではない

ここで注意したいのは、返戻率は年率ではないということです。

約20年間積み立てた金額に対して、戻ってくる金額の増加率を言っています。

銀行の金利よりはいいものの、約20年もお金が拘束されるリスクに対しては低い年利と言わざるを得ませんね。

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返戻率トップは「明治安田生命の109%」だが条件が厳しい

明治安田生命の学資保険は、返礼率を109%以上にすることもできます。

返戻率109%は今の時代、破格の高さですね!

しかし、いい話には裏があるもので、条件がかなり厳しいです。

契約者が男性30歳、女性35歳までで、かつ300万円以上を一括で納める場合に初めて返戻率が109%となります。

また、子どもの年齢が0歳であることも条件になります。

契約者が20歳の女性だと、190.3%まで返戻率を伸ばすことができます。

(2022年7月時点)

ちなみに返戻率109%の年率は、20年積立として計算すると年率0.44%程度です。

年率にすると見栄えがグッと悪くなりますね。

積み立てた金額が減って返ってくる斬新な学資保険も登場!

今は低金利の時代、というかマイナス金利の時代です。

時代を反映してか、返戻率が100%を切る学資保険も存在します。

20年近く積み立てたお金が確実に減って返ってくるなんて、なんと斬新な保険商品でしょう!

2.「契約者が死亡・高度障害の場合支払いが免除になる」→これを目的に加入する必要はない

「もしも子どもが小さいうちに自分が死んでしまったら…」と思うのが親心ですよね。

学資保険には、契約者に万が一のことがあった場合、その後の支払いが免除になる特約があります。

しかし、万が一に備えて学資保険に入る人がいるかは疑問です。

あくまでも教育資金を貯めるのが学資保険の目的ですから、支払い免除はついでと考えていいですね。

万が一の事態には、生命保険で対応するほうが個人的にはよいかと思います。

3.「生命保険料控除の対象になる」→生命保険加入者にメリットなし

学資保険は生命保険料控除の対象になります。

これは税金が低くなる確実なメリットです。

しかし、生命保険に加入している人にとってはメリットにはならない可能性があります。

というのも、生命保険料控除には上限があるからです。

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多くの人は通常の生命保険で控除額の上限に達する

学資保険は「一般生命保険料控除」として申告します。

ただし、「一般生命保険料控除」は、「生命保険・死亡保険」も対象に含まれる控除枠です。

そして、「一般生命保険料控除」には決して高くない上限額が設定されています。

生命保険・死亡保険に加入している方の場合、その保険料だけで控除額の上限に達してしまう可能性が高いのです。

保険料の年間支払額に対する控除額の上限は次のとおりです。

年間支払保険料 控除額 
所得税80,000円以上40,000円
住民税56,000円以上28,000円

つまり「生命保険・死亡保険」に年額80,000円以上掛けている人は、すでに控除枠の上限に達しています。

学資保険に加入して支払った分の控除は受けられないわけです。

月額6,667円以上の生命保険に加入していれば、それだけで控除枠の上限に達します。

4.「確実にお金を貯めていける」→お金を貯めるのがめちゃくちゃ苦手な人にはメリット

学資保険は毎月自動的に積み立てるので、お金を貯めるのが苦手な人にとってはいい商品と言えます。

「簡単に引き出せないお金」なので、欲に負けて引き出してしまう危険性が低くなります。

「お金はあるだけ使ちゃう!」

という人は学資保険で強制的に教育資金を貯めていくのがいいですね。

5.「お金のかかる進学時もお祝い金で安心」→メリットもデメリットもある

子どもが進学するときは入学金以外にも、何かとお金がかかるものです。

例えば入学金のかからない公立の中学校の場合でも、制服や部活道具を購入するなど、まとまったお金が必要になります。

そういう意味で、進学のタイミングでお祝い金がもらえると非常に助かりますね。

ただし、このタイプの学資保険は返戻率が低いです。

中学・高校の入学費用は大学と比べれば非常に少なく済みますので、学資保険の返戻金を充てにしない選択ができるといいですね。

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6.「医療特約をつけられる」→返戻率が低くなるだけ

学資保険にはいろいろな特約が付いていたり、付けたりすることができます。

しかし、特約を付けるということはその分返戻率が低くなります

ただでさえ低い返戻率を下げてまで特約に加入するメリットは見当たりません。

今は子どもの医療費はタダという地方自治体もあるくらい子どもに優しい社会になってきています。

学資保険に医療特約を付けるくらいなら、掛け捨ての医療保険に加入したほうが保障が充実しています。

あえて学資保険に医療特約を付ける必要性が見出せません。

お金がかかる時期はあらかじめわかっている

子どもが生まれたときから「いつ進学するか」はわかっていることです。

つまり、教育資金は準備しやすいお金なんですよね。

計画的に教育資金を貯められる人にとっては、返戻金目的に学資保険に入るのは微妙です。

返戻金制度がメリットになるのも、お金を貯めるのが苦手な方向けかもしれません。

学資保険のデメリットが多くなっている

学資保険にはメリットらしいメリットはありませんでしたが、デメリットはしっかりあります

ここでは3つのデメリットを取り上げます。

1.インフレに対応できない

20年近く大きなお金を預けるのが学資保険ですが、20年後も今と同じ物価とは限りません

そもそも政府は物価を継続的に上げていく政策を実行しているので、20年後の物価は今より高くなっているはずです。

学資保険は固定利回りなので、物価の上昇が致命的なダメージになります。

銀行の利率が上がったとしても、学資保険の利回りは固定なので加入時のままです。

大学の入学金が現在の2倍になっている未来だってあるのです。

現に大学の入学金と授業料は年々上昇しています。

掛けたお金が増えて戻ってくると思っていても、実際のお金の価値は下がっていることも考えられるのです。

デフレになると考えているなら学資保険に加入するのもあり

一方で、これからデフレが進むと考えているのであれば、学資保険加入は正しい選択だと思います。

デフレが進むなら今の10,000円の価値が実質上がるわけですし、もちろん金利も上がらないですからね。

現在の低い返戻率の学資保険もお宝保険に変わるかもしれませんからね。

ただ、政府の緩やかなインフレ政策を考えると、デフレが進むと考えて学資保険に加入するのはリスクが大きい気がしますね。

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2.途中解約で元本割れ

「銀行の利率が学資保険を超えたから、学資保険を解約して銀行に預けたい」
「まとまったお金が必要になったので学資保険を解約したい」

といった場合、積み立てた金額がそのまま戻ってこないのも学資保険のイヤなところです。

途中で解約した場合、ほぼ間違いなく元本を割った金額しかもどってきません。

3.保険会社が倒産すると最悪90%しか戻ってこない

保険会社が倒産したら学資保険はどうなるか知っていますか?

保険会社がつぶれることはそうそうありませんが、全くないとも言い切れませんよね。

倒産した会社の学資保険は他の保険会社に引き継がれるので、その点では安心ですね。

ただし、契約時と同じ返戻率が維持されるかは微妙です。

「責任準備金」の90%が保護対象

学資保険は保険会社が倒産しても契約は継続されるものの、返戻金が満額戻ってくるまでは保証されていません。

保証されているのは「責任準備金の90%」なんですね。

株式や投資信託が100%保護されている反面、90%しか保証されないのは学資保険の残念なところです。

最悪90%なので100%保証される可能性もありますが、こればかりは倒産した後にしかわかりません。

詳しくは生命保険文化センターのホームページを参考にしてください。

激動の時代に支払いを続けていける保証はない

昔と違い、10年後や20年後を見越すことが困難な時代になりました。

終身雇用はもはや過去の話で、いつリストラにうかわかったもんじゃありません。

20年後を見越して低利率の学資保険を毎月積み立てるのはリスクが大きく感じます。

コロナのような不測の事態にも支払いを続けられるか

新型コロナウイルス感染拡大のような、不測の事態で仕事や収入を失う恐れがあることもあります。

新種のウイルスによるパンデミック状況でも学資保険を払い続けていけるか、真剣に考えなくちゃいけませんね。

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支払いが滞ると強制的に契約が解除される恐れも

不況で仕事を失ったりした結果、学資保険の支払いができないこともあるかもしれません。

支払いが滞ると、最悪の場合学資保険が強制的に解約されてしまいます。

強制解約の結果、元本割れした金額しか戻ってこないわけです。

今の時代、長期で積み立てるということ自体がリスクとなっているとも言えますね。

学資保険に加入しない場合は別の方法で教育資金を貯める必要がある

学資保険に加入しない場合は、別途教育資金を用意しないといけません。

しかし教育資金を作る代替方法に「コレ!」というものがないのも事実です。

代替手段として貯蓄か投資が思い浮かびますが、それぞれ一長一短があります。

学資保険の大体手段として教育資金を貯める場合は、それなりの覚悟や計画性が必要そうです。

学資保険を検討するなら自発的に動こう

「自分で教育資金を貯めていくのはたぶんムリ」

という場合は学資保険のお世話になるのも、選択として決して間違っていません。

ただ、学資保険への加入を検討するのであれば、受け身になっているとほぼ間違いなく損をします。

自分でしっかりと情報収集をしたり、学資保険に強いFPさんに話を聞くなどするべきです。

職場に出入りしている保険のお姉さんなどに勧められるまま加入するのだけはやめておきましょう。

学資保険を検討するなら学資保険に詳しい会社に相談するべきです。

保険ガーデンプレミアは学資保険に特化した無料相談サービスサイトです。

学資保険を検討しているならまずは相談してみるのがいいですね!

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